忍者ブログ
アルビレックス新潟と 飼い猫と アイカタと。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


*サッカーの話題は、今日はない。うむ。

きのうの天気予報が言っていたように
今日は きのうよりずっと寒かった。
バリバリに凍りついたクルマの窓ガラスの雪氷を溶かすまでに
えらく時間がかかってしまい、
これからは、ああ そういう時間も見て動かなければ。と思うと ユーウツだったり。

シゴトから帰ってきますと、
お向かいのお宅で飼われているワンちゃんが、散歩から帰ってきたところでした。
イヌと暮らしていると、「いやー。。今日は寒いから、散歩やすみー。」
とか言えないのがツライ。
ワタクシは イヌも好きだけど、そっちへ手を出さないのは
毎日 きちんきちんと散歩をさせなければならない。という強迫観念めいたものと、
そのコの精神的平穏を約束するために、
自分を律してイヌのリーダーとなり、ちゃんとしつけをしてあげなくてはイケナイ。
それが、煩わしいから。
そのへん、ねこはテキトーでも許される部分が、たくさんだから。

お向かいのワンちゃん、ワタクシの姿を見つけると
一目散に駆け寄ってまいりました。
ミニチュア・シュナイザーの女の子。3歳くらいか。
名前は、何度か聞いたのですが 忘れましたw  えーと、横文字 ^^ゞ
「オマエ、またおっきくなったんとチガウー?」
話しかけながら、ぶんぶんとしっぽを振るのを見る。
雪が、カタマリになって足にくっついている。
引き綱を引っ張りながら、「拭いてやるのが タイヘンなの。」と奥様。
だんなさんと、3人の兄弟。
家族みんなで、 そのワンちゃんをかわいがっています。
「ねこが大好きなの。」というそのコは、
ウチのプーちゃんにまで満面の愛想を振りまき、思いっきりイヤがられてもキニシナイ。
そのコの明るさは、きっとシアワセの証。


今日 書きたいのは、
「あの日」というタイトルの絵本のおはなしです。
「あの日」というのは、1995年1月17日の「あの日」。
~わたしと大吉の阪神淡路大震災~ という副題がついたこの絵本は
初版発行が、2001年9月23日。

あの地震によって たくさんの方の命が奪われました。
動物の受けた被害もまた大きく、
動物救護センターで一時的に収容された動物をのぞき
収容された後、里親探しによって全国にもらわれていった動物は
1500頭にものぼったそうです。
それだけのコが、ご主人とともに、さきを暮らすことができなかったのです。
地震が起こってから5年経過し
神戸市の獣医師会では
震災の時に 動物によって慰められたり、励まされたというエピソードを
被災者の方から広く募集しました。
これは、その応募によって寄せられた、ある方の体験談。
「マリと子犬の物語」がそうであるように、
13年前に ほんとうにあったおはなしです。





「わたし」のあの日の記憶は、
たんすの下敷きになっていたところから始まります。
いつもなら足元でねむっているはずのシーズー犬の“大吉”は、
なぜだか「わたし」のおなかの下にいました。

大吉と2人暮らしで 身よりもない「わたし」は
持病もあってか 「これで楽になれる。」と自分のことばかり。
たんすは重く、逃げるのは不可能なように思えました。

しばらくそうしていると、おなかの下の大吉のカラダが 
とてもあたたかいことに「わたし」は気づきます。
けいれんしたように震えている大吉を抱きしめているうちに
自分は、いつ死んでもいいけれど、大吉は5年しか生きていない。と思いました。
「生きないと。」
そう決心して、重いたんすのしたから、こわれたマンションから
大吉を抱えて抜け出すところは、とても感動的です。
抜け出して 向かうところは、生きる場所。
生きてゆくことは たいへんでした。

「マリと子犬の物語」のマリは、
地震当日に産んだ自分の子犬たちを必死で守り、
それこそ重い家具の下敷きになって動けなくなった家族の方を
気丈にも励まし続けますが
大吉は、いつも震え、「わたし」から離れません。
仕事もなくなり、生活も苦しくて 自分が生きてゆくのもやっと。
本当なら 共倒れになる前に大吉を里親に出す選択もあったはず。

すこしの間でもひとりで留守番をさせると
部屋はおしっこだらけ。しかると、遠吠えをするようにうめくばかり。
傍から見たら、足を引っ張っているだけのような
この大吉くんは このコを離すわけにはいかない。
という強烈なモチベーションを「わたし」にもたらし、
持病が重くなったり、友達に裏切られたりしながら
「わたし」は たくさんの困難を 大吉といっしょに乗り越えていくのです。

毎日寝るときに、大吉に『今日もありがとう。』といい、
いっしょにふとんで寝るのが、ささやかな幸せです。


なんというしあわせ。
生活は、もちろん楽ではなく、明日も見えなくても
「ありがとう。」と感謝のきもちを忘れないヒトは、シアワセです。




*新潟日報に紹介文が掲載されていて、
 当時 本屋さんに注文して購入しました。
 構成とイラストは、あの日比野克彦氏。 マイチームにゆかりの深い方です。
 イラストは、ご存知のとおり抽象的で
 「マリと子犬~」のように かわいい絵ではないけれど、
 無気力に支配されていた「わたし」の中に、命がみなぎってゆく過程が
 チカラ強く描かれていて、
大吉のなさけないかわいさも 伝わってきてサスガです。

 いま 読み返したら、当時より自分も年を重ねたせいか
 凝縮された言葉のひとつひとつが、とても重い。
 何年後かの自分の境遇かも。と、思ってみる。
 そのとき もしも被災したら。
 こんなに 前向きに 生きられるかな。



「あの日」
講談社 1,680yen 
協力 : (社)神戸市獣医師会





PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
[373]  [372]  [371]  [370]  [369]  [368]  [367]  [366]  [365]  [364]  [363
忍者ブログ [PR]