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アルビレックス新潟と 飼い猫と アイカタと。
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あさ カイシャに行くバイパスの上で、豚トラックに会いました。



今までも 隣りの車線を走るのを 目で追ったことが何度かあります。
荷台すれすれに見える、ピンクがかったベージュのなだらかな背中と
時に三角の耳たぶが 風にほわほわと揺れるのを見ると
それが よく晴れた日の朝だったりすると
どうにもならないことなのに せつなくなってしまう。 
じきに忘れるのに。

三ツ沢に行くバスの中
隣りの車線から 豚トラックが追い越してゆくのを、窓から眺めた。
狭い荷台に たくさん押し込まれた豚たち。
顔を見たけれど、何も読み取れませんでした。
「牛は、これから行く先のことがわかるんだよ。わかって涙を流すんだよ。」
と聞かされて ふうんと思った。
清水へ行く途中では、牛を載せたトラックを見ました。
きちんと並んだ牛たちの目に、涙はなかったけれど
やっぱり ただ淡々としているように見えました。


ワタクシは、ベジタリアンではないし、豚肉は大好きだ。
連れて行かれるトラックを見て、ちょっとセンチメンタルになっても
その帰り道にはスーパーに寄って豚肉を買ったり出来る。
ごはんがすすむ豚の生姜焼きは 日本人でヨカッタと思うし
明日の試合に勝てますように、とか言ってトンカツ食べちゃったりもする。
自分のチカラでは なにひとつ作りだすことが出来ないから
そういう命をもらって生きている。
生きているものだけではなく、野菜もそう。
食用のために育てた豚が 
養豚場から解体場へと連れて行かれるのはあたりまえのこと。
そう、思っていた。


朝から暑かった今日。
西インターを過ぎて、小新のあたり。
左車線を走っていたワタクシの右側を、そのトラックは並走していました。
見ると、荷台にブタの姿が見えました。
(あれ?)
なんとなく 印象がちがって見えました。
いつもはついている、緑のホロがなくて、
上がオープンになっていたせいでしょうか。

そのブタは カオを斜め上へと向けていました。
よく見る光景は、
いくつかのなだらかな曲線の背中と、それから風にゆれる耳たぶ。
他に何頭か、載っていると思われるのですが
見えるのはこのコ1頭だけでした。
ガソリンだって高いのに、1頭だけのっけて走るようなことはしないよね。
・・なにを しているんだろう。
荷台から肩の位置がわかるくらいに伸びあがって
空へとカオを向けている。
走っている車線のスピードが、ゆるやかに落ちました。
前に目をやると、工事車両が低速で走っている。
また、そのブタに視線を戻すと、
一度低くなったと思ったら 
えいっとばかりに 前足を荷台のふちにかけて さらに空へとカオを近づけた。
ブタの特徴である、愛きょうのあるカタチの鼻。
めいっぱい伸ばすように、ひくひくと動かして 
風の匂いを嗅いでいた。
豚を載せたトラックが 遠ざかって行く。
見ると 
車線を左へ変更して 工事車両の少し前に入ったのがわかりました。

追い越して、そばへ行きたい。
という気持ちになりましたが、やめた。
追いかける代わりに 前足をついて伸びあがり、鼻を伸ばしている豚から
目を離さずにいた。
ハイキングに行くために、ドライブしているわけじゃない。
けれど その時のそのブタは ひどくシアワセそうに見えました。
歌でも歌いだしそうなくらい。
トラックに乗せられるまで、どんな景色を見てきたのかはわからない。
はじめて 見る(見えるのかな)景色や、風の匂いや 青い空。


豚トラックの降りるところは、わかっている。
ワタクシが降りるのと おんなじインター。
ワタクシは右に、 トラックは左に。
時々 帰りにも見つけることがあるけれど 
その時は、荷台はからっぽな ただのトラック。




カイシャに着いて シゴトをしながら
いま見たブタの、ひくひくと動かしていた、ピンクの鼻を思い出した。
鼻は匂いを嗅ぐためのもの。
それよりも、空気を吸い込むためのもの。生きるために。
そう 思った時 涙が出た。
上司がいたので 他のことを考えようとして、それは成功した。
せつない、とか言いながらも
ニンゲンが食べるために育てられるのだから
送られていく時は、あきらめたように下を向いていてほしい。
そう思っていた自分に気がついて 涙が出たのかも。





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コメント
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もしかして
今日、仕事で県立図書館に行く途中、バイパスで空っぽの豚トラックを追い越しました。もしかしたら、それって…

清水に行く途中で、会いましたね、牛トラック。一頭は顔を出して、こんにちはー、なんて顔をしてました。
その顔を見ながら、アイアンさんと「ドナドナ」を歌ってたなんてナイショだ。
ぐっちい 2008/07/23(Wed)21:41 編集
へこみましたん(涙
ぐっちいさん コンバンハ^-^

いましたね~、牛トラック。
ワタクシの近くでも歌ってましたよ、「ドナドナ」。
しかし あれはなんて哀しい歌なのかww

今日になっても思い出すんですわ、あのブタの姿。
つか、トラックは時速80km以上で走ってたのに
4つ足が、前足をへりに乗っけて 
後ろ足で踏ん張ってるって 考えたらスゲーよね。

食っちまうには惜しいブタだったな。。
puucha 2008/07/23(Wed)22:16 編集
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