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さて、気をとり直して。
別にオフじゃなくてもいいんですが、どこかにふらっと出かける時は、必ずバッグに文庫本を
入れて歩きます。 たいがい、誰か人がいる中で読むので、
ガチで読まないとアタマに入らないようなのは向きません。
短編集みたいな、どこから読んでもオーケーで、内容を忘れちゃっても大丈夫。
本屋さんに入って、何かあるかなあと、探すのも好きです。
今回買った本。
藤沢周平 「隠し剣 秋風抄」 文春文庫 590yen
公開前から話題だった映画「武士の一分」の原作が収録されています。
厚さにして、1.5cmくらい。 短編が9編。 「一分」にあたるお話は、いちばん最後。
こないだ古町でゴハン食べた時、ガマンできずにいちばん最初に読みました。
タイトルが、まずいい。 「盲目剣(こだま)返し」 いいデショー。
(こだま)の部分は、変換できなかった。谷編に、牙という字。これで、こだま。
お勤め中の事故で盲目になった武士・三村新之丞が、自分の妻を陥れた上司にあたる島崎藤弥に、果し合いを挑む。賭けるものは「武士の一分」。
というオハナシなのである。が読んでいて素晴らしいのは、最初から盲目だったわけではない、
人並み以上に腕の立ったキムラタクヤ、ぢゃない三村新之丞が盲目の身の上を強いられ、
必要に迫られて、自分を取り囲む様々な気配・・冷たい夜気、あるかなきかの匂い、
物の手触りといったものに敏感になっていき、それを読む側も追体験できてしまう文章の巧みさ。映画がどういう風に表現しているかはわからないけど、まだ、何かに触りながらでないと歩くことも出来ない新之丞を周りから見守るのではなく、読むことで新之丞自身になる感覚。
「武士の一分」という言葉は、一度だけ使われている。
果し合いの最中、やはり剣の達人である相手に気配を消されてしまい、
新之丞はアセる。動かないものの気配は知りようもなく、これまでか。と思い迷う。
しかし、次の瞬間こう考え直す。
「勝つことがすべてではなかった。武士の一分がたてばそれでよい。」
お話の、終わり方も、余韻があって素晴らしい。
他のお話のタイトルも、「陽狂剣かげろう」 「孤立剣残月」 と、カッコいい♪
さらに、「隠し剣弧影抄」 と、シリーズは続く。つか、こっちのが先らしい。
Jリーグダイジェストを見つつ、こっちも読みたいにゃー。
はやいハナシが、時代劇マニア(笑)。
暴れん坊将軍よりは、鬼平犯科帳。