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アルビレックス新潟と 飼い猫と アイカタと。
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夜中3時半に起きなきゃいけない日。
寝室に入ってきた猫プーちゃんが、騒がしく鳴いている。
寝る前にごはんをあげても、
朝起きるまでにおなかが空いたと 
必ず一度は起こしにくるようになって どのくらいになるだろう。
鳴き声に うすぼんやりと目が覚める。
ほどなく目覚ましが鳴って、すぐ止める。
真夜中の目覚ましは、隣に住んでいる人も起こしそう。
今日のプーちゃんは、タイミングがよかったな。
廊下に出て灯りを点けると シートの上にUNCHIハッケン。
UNCHIした後に かなりの確率でおしっこをするのは経験から明白なので
トイレに流しながら、おしっこさせなきゃ。と思うそばから
わたしの足にまとわるようにして歩いていたプーちゃんは
あと少しでシートの上に乗っかるというところで
歩くのをやめて放尿(@_@。
う。
何か言おうとして あまりにも気持よさそうな顔つきに思わず笑う。
お湯を沸かさないといけないから
床の上にシートをかけて 階下へ降りる。
上で後片付けをしている気配が聞こえてきた。
パンを焼く。
降りてきたアイカタも、粗相をしたプーちゃんを叱らなかった。
気持よさそうな顔をしていたのを思い出して、もう一度笑った。

まだ真っ暗な外へ出かけて行くアイカタを見送って もう一回寝る。
うとうとしていると 猫プーちゃんが鳴いたような気がしたけれど
身体が動かなかった。
鳴き声が続く。 ごはんかな。トイレかな。でも動けなかった。


プーちゃんと 曇りの街を歩いていた。

足元を歩くプーちゃんは、寄ってきたフレンチブルを怖がって
胸元に飛びついてきた。胸に抱えて歩きながらこれは夢だと思う。
もう何年もプーちゃんを外に連れ出していないし
散歩に行く時は必ずリードをつけていたし。
何より こんな街の中を歩いたりしないから。

どこか遠くへ行かなきゃいけないらしかったのに クルマで来ていなかったようだった。
胸に抱きかかえながら、夜寝る時にトイレに連れて行く時みたいだと思いながら歩く。
抱き上げると、前足を伸ばして頬に触ろうとする。
それを抑えて頬を寄せる。
プーちゃんのからだからは 陽に当たって乾いた草に似た匂いがしてきて
それを嗅ぎながら ゆっくりと階段を上がって行く時間が好き。
眠たさMAXのなか、トイレに連れていくのは自分の手間を減らしたいからで
日常のルーティーンに組み込まれている作業なのだけど
腕の中のプーちゃんは まあるくて柔らかくて温かく、確かに生きていて
その作業を特別なものにする。

目的の場所にはなかなかたどり着かない。
気がつくと胸の中のプーちゃんは ずっしりと重くなっていた。
自分のからだを支えられなくなっているような重さ。
小さいのに、この重さは。
胸から離して、向き合うようにして猫を見る。
腕だけで支えているせいで 重さが増す。重たいのに、頼りない。
何か変だ。どんどん不安がやってくる。
変化を把握出来ずにいると
長い息をふうーー とつくと 瞳が上へせりあがっていって
それから目を閉じた。
あ。この子はいま 死んで行くんだ。

夢だとわかっていて
まだその続きの中にいるとわかっていて
そこだけがリアルに息づいていた。
目が覚めると あんなに鳴いていた声の主は部屋からいなくなっていた。

廊下に出て階段を降りしなにすぐ横のトイレのなかを見ると
砂の一部が固まっていて、ちゃんと済ませた形跡があった。
シートの上だったり さっきみたいに床だったり
階段を上がってくる途中で間に合わなかったりと
そういう粗相が目につくようになってからの、砂のカタマリは誇らしげだった。


2012年の冬。 
チームが“奇蹟の残留”を果たしたシーズンオフに 
それまで食べていたカリカリを急に食べなくなった。
お皿のあるトレイまで歩いて行っても、また引き返すようになった。
ソファに乗ろうとして、乗れないところを見つけた時
もしかしたら もう終わりが近いのかと思った。
それから目に見えて衰えて行って
背骨がなぞれるくらい痩せて行って
ちょうど 知り合いのアルビサポの人がそっと撫でてくれながら
『そう、こうやって だんだん弱っていくんだよー』と言うのを
(やっぱりか。。) とうなずいてしまっていた。

食が落ちたのだと思っていたら
実はかたいカリカリが食べられなくなっただけで
柔らかい缶詰をあげてみたら 息せききって一気に食べた。
一気に食べて、ハレバレとした声で “やーー” と鳴いたのだった。

あれから3年。
腎不全が見つかって『このコの腎臓は、3割くらいしか機能していません。』と
お医者さんに言われてから9年。
そうして この13日で 21歳と1ヶ月を迎えた猫プーちゃん。
お医者さんからもらった年齢早見表は 21年で100歳。
表はそこで終わっている。

その先の書いていない時間を まだ猫プーちゃんは持っていて
きちんきちんと夜中にやってきて張りのある声で鳴いては
“ごはんちょうだい” や “おしっこしましたー” 
と主張して あとのほとんどは眠って 1日を生きている。
ゆるやかな下降に気づいて ちょっと構えていると
はぐらかすように跳躍して見せる。
歳が歳だから いつ死が来ても不思議はないと認識しながら
まだ だいじょうぶと思っている。
夢が見せたのは やけにリアルだったのは 慌てるなというメッセージか。

シーズンの開幕戦。鳥栖戦のために1泊2日留守にした。
必ずまた会えるようにと 心の中で唱えながら家を出る。
帰ってくると、トイレチェックと新しいごはんの催促に追われながら
ほっとする。
またシーズンが始まった。


 *猫プーちゃんが敷いている布。
  この冬買ったばかりでしたが、福岡から帰ってきた日に
  36時間の留守番が終わって気が緩んだのか いきなり粗相(*_*)
  今はもうありません。

 
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